仙台七夕祭りで
地下鉄勾当台公園駅のエレベーターで地上へ出ると、出店が並ぶあたりは、人の波だった。 仙台七夕祭り見物へ、きのう午後から出かけた。 家族づれや浴衣姿のカップルが、むこうからきてすれ違う。 車いすを押してくれていたヘルパーさんは、おだやかな男の人だった。 「人が込んでるけど、祭は雰囲気ですよね」 ぼくも、うなずく。 すいているほうへ、車いすを押してもらう。おなかがすいてきた。 「なんか、食べたいですね」 そう伝える。ところが、へんだな、と首をかしげた。車いすが、高校生らしき女の子のグループのほうへ、そろり、そろり、と進んでいくではないか。水色やピンクの浴衣の花模様が、かわいらしかった。そこで気づい…